闇を裂く不穏な闘い家父長制と近代女性文学
長谷川 啓:著
発行:彩流社
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四六判 428ページ 上製
定価:4,500円+税
ISBN978-4-7791-2461-7 C0095
在庫あり
奥付の初版発行年月:2018年10月
書店発売日:2018年10月30日

紹介

樋口一葉、田村俊子、伊藤野枝、宮本百合子、
平林たい子、尾崎翠、佐多稲子、大田洋子、円地文子……

日本政府が主導する「明治百年」が騒がしく、
いよいよ戦前回帰が本格的に開始されている
現在こそ立ち返るべき女性作家たち。

近代女性文学のなかで、とりわけ近代の闇=家父長制を
裂くような不穏な闘いで挑んだ女性表現者やその表象を、
フェミニズム/ジェンダーの視点から追跡することによって、
殖産興業・富国強兵・アジア植民地化に邁進した
近代日本が根底的に問い直される本格的評論!

目次

Ⅰ 近代家父長制への抗い

樋口一葉「恋の狂気が意味するもの
――『裏紫』を読む」

田村俊子「初出『あきらめ』を読む
――三輪の存在をめぐって」
    「〈愛〉の奴隷批判
――『生血』『彼女の生活』を読む」
    「書くことの〈狂〉
――『女作者』論」
    「〈妻〉という制度への反逆
――『炮烙の刑』を読む」
    「〈悪女〉の季節
――家父長制秩序への反逆者たち」

Ⅱ 社会変革への挑戦

伊藤野枝「彗星のごとき伊藤野枝」

宮本百合子「〈女の時間〉の記憶
――『二つの庭』のもう一つの語り( ナラティブ)」 
     「『道標』と女のふたり旅
――今日問いかけるもの」
     「女性文学にみる抵抗のかたち
――〈左翼系作家〉の家父長制とのたたかい」

平林たい子「反逆する文体」 
     「プロレタリア文学とジェンダー
――女性表現における〈労働〉の発見」

Ⅲ 戦争の時代と、終わりの惨劇

尾崎翠「不安の文学 〈母性〉からの離陸とその挫折
――尾崎翠における自我の構図」

佐多稲子「佐多稲子の〈記憶〉が問いかけるもの」
    「『牡丹のある家』の世界」
    「佐多稲子における愛と性
――『くれない』と『灰色の午後』の時代」
    「〈美人〉作家の効用
――アジア太平洋戦争下の中国戦地慰問」

大田洋子「『桜の国』成立前後」
    「二一世紀への警鐘
――原爆体験の語り部 大田洋子の生と文学」

Ⅳ 老いの創造力

円地文子「遊魂の悦楽/狐火の如き老いのエロス
――妖艶なる老年文学」  

著者プロフィール

長谷川 啓(ハセガワ ケイ)

はせがわ・けい 
1941年、札幌市生まれ。
法政大学大学院人文科学研究科修士課程修了、
姫路独協大学助教授、城西短期大学教授を歴任。
近現代女性文学を研究。日本文学協会、新日本文学会会員。
【著書】
『佐多稲子論』(オリジン出版センター)、
【共編著】
『現代女性学の探究 二十一世紀にむけて共生時代を
 生きぬくキーワード』(双文社)、
『母と娘のフェミニズム 近代家族を超えて』(田畑書店)、
『高橋たか子の風景』(彩流社)、
『< 転向> の明暗 「昭和十年前後」の文学』(責任編集、
 インパクト出版会)、
『買売春と日本文学』(東京堂出版)、
『佐多稲子と戦後日本』(七つ森書館)、
『編年体 近代現代女性文学史』(至文堂)、
『ジェンダーで読む愛・性・家族』(東京堂出版)、
『韓流サブカルチュアと女性』(至文堂)、
『老いの愉楽「 老人文学」の魅力』(東京堂出版)、
『少女小説事典』(東京堂出版)。



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